- この記事はこんな方におすすめです!
- ドイツ旅行を予定している
- 日本とドイツの文化の違いに興味を持っている
- ドイツへの留学・移住を考えている
特に、ドイツへ留学・移住を考えている方にとっては、現地の具体的な文化の違いを理解することはとても重要ですよね。私自身もドイツへ移住してみて、「これは知っておきたかった」「驚いた!」というドイツ文化がいくつもあります。
この記事では、日本とドイツの異なる文化について10個厳選して紹介しています。
ドイツの独自の文化や生活様式について理解を深めることで、旅行や留学、移住への心の準備ができるようになりますよ。
鼻をすすったり麺をすする音はマナー違反
ドイツでは、鼻をすする音や麺をすする音は、一般的に好ましくないとされています。
鼻をすする行為は、他人に不快感を与えると考えられ、特に公共の場では控えることがマナーとされています。
日本だと化粧室でこそっと鼻をかむイメージですが、綺麗な女性が公共の場でチーンと鼻をかむ姿を初めて見たときはびっくりしました!
麺類も気を付けたい!
麺をすする行為やスープなどを音をたてて食べる行為も、ドイツでは好ましくないとされています。食事をする際は静かに食べることが重視され、麺をすする音は他人に不快感を与える可能性があります。
ラーメンや蕎麦など例え日本食だとしても、日本にいるときと同じような感覚で音を立てて食べると白い目でみられることも…。ドイツでは配慮が必要です。
ドイツのサウナや温泉は裸で男女混浴
ドイツのサウナや温泉では、一部の場所を除いて男女が裸で混浴を楽しむことが一般的です。これはドイツの伝統的な文化で、裸で入ることは身体と心の解放やリラックスに繋がると考えられています。
男女混浴の場合、シャワーや施設内の移動時などはタオルやガウンを身に着けていますが、サウナ内では裸で入るのが一般的。
日本人の感覚からすると、裸で異性と一緒の空間にいるのはなかなか抵抗がありそうです…。地域や場所によっては、女性専用スペースもあったりするそうですが、基本的には混浴。自然体でいることを大事にしているドイツならではの文化なのかもしれません…!
サウナと併設されている温泉は、ぬるめのプールのようなものが多く、ゆったりとした時間を楽しむことができます。
ケーキのテイクアウトは簡易包装
ドイツでは、ケーキのテイクアウトはかなりの簡易包装でとてもシンプル。一般的には紙皿にケーキをのせ、その上に紙をかぶせるだけです。
使い捨てのプラスチック容器を大量に使わずに済むため、地球環境への負荷を軽減することが期待できます。また、紙皿や紙のカバーはリサイクルがしやすく、廃棄物の削減にもつながります。
こうした環境に配慮した包装方法は、エコへの意識が高いドイツらしい文化のひとつ。
保冷剤などももちろんないので、ドイツのケーキ屋さんでケーキをテイクアウトするときは、自分でクーラーボックスやケースなどを持ち寄ったり、早めに持ち帰ることを意識したりと、計画的に購入するのがおすすめです。
高級なチョコレートショップで、量り売りのチョコを買ったときの話。チョコの見た目そっちのけで、バキバキにチョコレートを割って商品を包む店員さんの姿を見てびっくり!
日本の接客文化では、おもてなしの心や丁寧さを大切にする傾向がありますよね。店員さんの接客一つとっても、文化の違いを垣間見た瞬間でした…。
ドライヤーや掃除機は時間帯に注意!Ruhezeit
ドイツでは「Ruhezeit(静寂の時間)」という文化があります。早朝や夜間は静かな環境を保つことが重視され、夜間に大きな音楽やパーティーを控えたり、入浴やドライヤーの使用、または掃除機の稼働なども時間帯に配慮が必要です。
一般的には、夜の10時から朝の7時までが静寂の時間帯で、特に日曜日や祝日では、なるべく掃除機や芝刈り機など、大きな音を出す作業は控えるべきとされています。
「Ruhezeit」は共同生活のルールやマナーを尊重する重要な要素となっていて、ドイツ社会における共同生活や近隣間の調和を重視する文化に根付いています。
ドイツ滞在中は早朝や夜の騒音には注意が必要なんだね
集合住宅の場合は、お風呂の時間も早めが◎だよ
トイレ有料。飲食店のお水も有料
ドイツでは公共の施設やデパートなど、トイレの使用は基本的には有料です。トイレの入り口にゲートがあり、そこでトイレの使用料(1~2€ほど)を支払います。
飲食をしたカフェやレストラン、入場料を支払った博物館など、その施設のサービスに対してお金を支払っている場合は、トイレも無料で使える所がほとんどです。なので、近くにトイレが見つからないときはカフェやレストランを利用する人が多いです。私もその一人。
もしもその飲食店を利用する予定がないときには、店員さんにトイレを使いたい旨を話せば大丈夫!場合によってはそのまま通してくれたり、お店によっては使用料を支払って利用することが可能です。
日本とは違いドイツの飲食店ではお水も有料です。
日本だと、店舗によってはお水は無料で提供しているところもありますが、ドイツでは、レストランやカフェなどで提供されるお水には料金が発生します。お水をボトル売りしている所も多いので、人数分のグラスを頼んでみんなでシェアして飲むことも可能です。
ドイツのお水の種類
ドイツでは、ミネラルウォーターのことを「Mineralwasser(ミネラルヴァッサー)」と言います。炭酸水を飲む人が日本よりも多く、お水の表記もいくつか種類があります。
- 炭酸が入っていないミネラルウォーターは「ohne Kohlensäure 」または「Still」
- 炭酸水は「mit Kohlensäure」もしくは「Sprudel」
- 通常の強度の炭酸水は「Classic」または「Normal」、微炭酸は「Medium」
日曜日はお店は休み
下の記事でも少し触れていますが、ドイツでは一般的に日曜日は多くのお店が閉まっています。
ドイツで日曜日に多くのお店が閉まっているのは、キリスト教の安息日の影響が大きいと言われています。
安息日はキリスト教の信仰において、特定の日を休息や祈りの時間として捧げることが重要視されてきました。この伝統は、ドイツの文化や法律にも反映されています。
ドイツの法律では、日曜日や祝日には労働を制限する規定があり、特定の例外を除いて、一般の商店や小売店は日曜日には営業を行いません。
そのため、観光や買い物を計画する際には、事前に必要なものを購入しておくことが大切。日曜日には、休息や観光を楽しむなど、ゆったりと過ごすのがドイツではおすすめです。
学校での進路決定が早い
ドイツでは、学校教育において進路決定が早く行われます。日本でいう小学校4年生にあたる年齢(10歳前後)になると、将来の進路についての方向性を示す選択を行います。具体的には、5年生以降に通うことになる学校を選択します。
- Hauptschule(基幹学校):5年制。職業訓練に重点を置いていて卒業後は就職やマイスターの道へ
- Realschule(実科学校):6年制。卒業後、職業訓練や専門学校へ進学することが一般的
- Gymnasium(ギムナジウム):8、9年制。大学進学準備学校のようなもので、卒業試験に合格すれば大学進学が可能
この進路選択のプロセスでは、教師や保護者との相談や適性テストなどが行われ決定されます。また、ドイツの学校では、小学1年生からでも留年制度があるので、その辺りも日本とはかなり違うシステムですね…!
進路決定後、もし個人の適性や成長に合わない場合には、後に転校や進路変更をしたりするケースもあるようなので、絶対にこの学校に確定!ということではないです。
個人的には、その子の向き不向きで通う学校を選択するのは、合理的なドイツらしいシステムだとは思いますが、10歳で進路を選択するのはちょっと早すぎるような気もします…。
ドイツでも、この進路選択については議論が繰り返されているようで、州によっては進路選択の年齢時期を後にずらしたり、基幹学校と実科学校を兼ねた学校があったりと、時代に沿って変化をしているようです。
子どものうちから、将来について具体的に考える機会があるのは、すごくいい事だなと思います!
ドアは基本オートロック
ドイツの建物のドアは基本オートロック仕様!具体的には、外側のドアノブには上の写真のようなレバーがなく、固定式になっていることがほとんど。外からは鍵がないと開かない仕組みになっています。
荷物を受け取ったりするときに、間違ってドアを閉めちゃったら大変…!
ドイツでは戦いの歴史が長かったこともあり、防犯意識が高く、セキュリティ対策としてドアは基本的にオートロック仕様になっているようです。また、住宅保険などの契約において、ドアに適切な鍵が取り付けられていることが要件となる場合があり、鍵がない状態では保険の対象外になることがあります。
これらの要素が組み合わさって、ドイツの建物のドアは毎回閉めると鍵が必要な構造になっている場合がほとんど。
犬の税金がある
ドイツでは、犬を飼う際には犬税(Hundesteuer)を支払う必要があります。犬税は、市町村の条例に基づいて徴収され、犬の所有者が犬を飼うことに対する負担として課されます。
一般的には、犬の種類や数に応じて税金の額が定められますが、一部の地域では、犬の品種やサイズによっても税金が異なる場合もあるようです。
ちょっと残念な話ですが、道路に犬の糞がそのままにしてあることも多いのがドイツの現状。道を歩くときは踏まないように、足元も警戒する必要があります。飼い主には適切なケアをする責任があるので、きちんと後処理までして欲しいですね…。この辺りは日本の方がマナーがいいイメージです。
また、ドイツでは、電車やバス、カフェやレストランも基本的には愛犬と同伴でOK!カフェやレストランのテラス席で、飼い主が食べ終わるのを大人しく待っているわんこの姿をよく見かけます。あまりにも静かすぎて犬がいることに気付かないこともあるぐらい…!
ドイツのわんこ達はしつけが行き届いていることがほとんどで、犬へのしつけに対する意識も高いです。これは、ドイツでは愛犬は大切なパートナーで、犬のしつけは気持ちよく共生するために重要と考えられているからです。
街には犬のしつけ教室もよく見かけるよ!
家庭用クーラーがない
ドイツの家庭では、日本ほどクーラーの普及は一般的ではなく、ほとんどの家にはクーラーはありません。ドイツは比較的涼しい気候で、夏でも日本のような高温多湿になることは少ないため、クーラーの必要性が低いと考えられています。
また、エネルギー効率や環境への配慮が重視されているのも、ドイツではクーラー普及がなかなか進まない理由のひとつ。そのため、夏の暑さ対策は、自然の風や換気に頼る傾向があります。
ただ、最近では気候変動の影響や暑い夏の増加により、ドイツの家庭でもクーラーの導入が進んでいる傾向が見られます。
正直、ドイツでも35度超えたら換気しても暑い…!
2022年夏にはヨーロッパ各地で猛暑日が記録されていて、今年の夏も暑い日が続く可能性が高いです。
- スペインのカンデレダ:45℃
- ロンドンのヒースロー空港:40.2℃
- フランスのトゥールーズ:39.4℃
日射病や熱中症など注意が必要ですね。
まとめ
日本とドイツで異なる文化について10個紹介しました。
知らないとびっくりしてしまうような文化の違いが、ドイツには意外とたくさんあります。
異文化を尊重し、マナーに気を配ることは円滑な交流を築くためにも重要です。
留学や旅行などでドイツを訪れる際には、文化的な背景を理解し、違いも含めて楽しめるといいですね。
ドイツへ留学や移住を考えている方は、基礎的なドイツ語力を証明する、A1試験にまずは挑戦するのがおすすめです。
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